2024年2月12日
お問い合わせが多い為、補足の上再UPしました
皆さんこんにちは。神戸支店の宮島です。
今回は「制震リフォーム」のお話です。
早速ですが、地震に対する家の備えには↓の3種類の考え方があります。
未だに分かりづらい区分なのですが、ヒトの体に例えるとこうなります。
①「耐震」=「地震の揺れに耐える骨の硬さ」
②「制震」=「地震の揺れを抑える筋肉」
③「免震」=「地震の揺れを逃す足腰の柔らかさ」
①は今までのブログでさんざんお話していますので、今回は②の筋肉のお話し。
地震大国日本では「耐震」と言う対策が一番ポピュラーです。
最近では、新築関係の建築系YouTuberも「ウチは耐震等級3を必須にしています」だとか「ウチは加えて許容応力度計算も行っています」なんて一般の人々には伝わり辛い専門用語まで連発していますので、耐震と言う言葉は一般の方々にも深い部分まで定着してきました。
しかし耐震性と言うのはあくまで大規模の地震に「“一度”襲われる事を想定した家の固さ」を指しますので、耐震等級③で通常の新築より1.5倍の強さがあろうと、2度〜3度の繰り返す地震までは考えられていないんです。
上記の写真を見てもらえれば分かりますが、「想定外」なんで悪い意味で便利な言葉があるものの、熊本地震は震度7が2度襲ってきた前例が出来てしまいましたので、新築を建てたばかりで「これから40年以上住んでいくお家」の場合、修繕費も確実に安くなりますので、備える価値は十分にあります。
そこで近頃は新築時に制震装置をお薦めするハウスメーカーも増えて来ている訳ですね。
※誤解が無いように記載しておきますが、耐震等級3は非常に有用で、取得していた家屋は熊本地震の倒壊は0件でした。ただ、倒壊がゼロであっても「修繕無しの無被害」とはいかず、蓄積されたダメージで3回目以降の地震に耐える可能性は低くなっていきます。
制震ダンパーの設置は以下の動画を見れば、効果の凄さがよく分かります。
そこで今回は当社でも3例目になった制震リフォームのご紹介。
D様邸は築10年。
耐震等級3(耐震診断では1.5相当)を取得したお家になりますが、前出の文字通り”繰り返す大地震”に対して、制震ダンパーでしっかり備えていく事になりました。
実はご主人様は特殊なお仕事に携わる方で、災害時はお家に帰ることが難しい立場。
例えば公務に携わる市の職員さんや消防士さん、自衛隊の隊員さんなども大災害が発生した際は職務を全うする必要があり、非常時に家族の傍に居る事ができない状況になれば、私は仕事が手に付かないかも知れません。
弊社で使用している制震ダンパーのはこの「S-PLUS」です。
取り付けは私たちがいつも行っている耐震補強と順序がよく似た工事となります。
まずは取り付ける壁を4枚~8枚、家屋の平米や間取り等を考慮して効果的な設置場所を検討します。
工事が始まりましたら後は養生から始まりまして…
※分かる人には分かるのですが、相変わらず増井棟梁の養生は水も漏らさぬ素晴らしい養生…。
塗装の職人曰く「あの養生はまるで水槽だ」と言わせる程(笑)
そして解体から設置。
クロス下地の石膏ボードを貼り合わせてからの
仕上げのクロス貼りです。
今回の工事で楽しかった点がありまして、それはD様のクロス選びのセンス。
経年したクロスを全面ではなく、部分的にアクセントとしてあえて色を変えてしまう選択でした。
↑全てをアクセントにするのではなく、お風呂場横の部分は同じデザインのクロスで仕上げていますが、
和室の元の状態
和室のアクセント
とてもcoolです。
リビングの元の状態
リビングのアクセント
全面同じクロスだとのぺーっとしてしまいますが、少量の差し色があるだけでガラリと雰囲気が変わります。
実は今回の工事、D様は別の大手の会社から制震工事の見積りをもらった後、弊社へお問い合わせ頂きました。
全く同じ造りのPB商品(別名になっただけの形も中身も全く同じ製品)を4倍の数(16壁)も取り付けて、値段も弊社の約3倍。
メーカーの住友ゴム自身が「延べ床100㎡程のお家で4壁ほどの設置で充分効果が出ます」と公開しているのに、どこをどう上手く曲解したら4倍の数と言った提案になるのか、私は理解に苦しみました。
住友ゴム工業の制震ダンパー「MAMORY(マモリー)」
加えて工事期間中は仮住まいへの引っ越しまで要求されたとの事でびっくりしたのですが、制震リフォーム工事は耐震リフォームと同じで、ほとんどのお家は「住みながらの工事が可能」ですので、同じ理由で諦めていた人はまだ望みがあります。
お見積は無料で行なっておりますので「このブログを見たんですが…」と↓の「LINEお問い合わせ」からお気軽にご相談ください。
制震リフォーム工事について詳しく知りたい方は → コチラ
D様、この度はありがとうございました!!